王冠と真珠とチークなインコ
オカメインコとその執事な私の日々
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DATE: 2006/01/26(木)   CATEGORY: 今までの子達
四匹目の:事件
この子が二歳ぐらいの時でした。
…やりましたね、こちらの不注意で、空へと飛び立ってしまいました。

状況としては、籠の掃除をしようと、ベランダへと籠を運んでいきました。その時、籠の上についている、リングを掴んでたんですね。
ベランダに続く窓を開けて、さて、籠を置こうとした瞬間…

ガタン!!!

籠の網の本体部と、プラスチックの底部分が外れてしまったのです。
外れた底は、コンクリのベランダに転がり、かなりの物音です。その音にも驚いたのでしょう、一気に空へと飛んで行ってしまいました。

私もパニックですが、その子の方がもっとパニックです。

凄い絶叫で鳴きながら、空を旋回しています。

どんなに呼んでも呼んでも、こちらに来ません。
ただ、有り難い(?)のは、遠くへ一気に飛び去らなかったこと。
ベランダから、10メートル程離れた宙で、ひたすら旋回をしていました。

この旋回には、一つ理由があると思っています。
その時に、ハッと気付いたのですが、その子が旋回をしている直径が、私のワンルームの部屋、ほぼ、その大きさだったんです。

狭い7畳程のワンルーム。
クリップもしてませんでしたので、この狭い部屋の中だけを、びゅんびゅん飛んでいました。
それだけが全ての世界だった子には、それより広い世界を知らなかったんでしょう。
だから、パニックになり、でも、その7畳ほどの世界で旋回して飛ぶ癖がついていた。
何て狭い世界に私は閉じこめているんだろう、と痛感しました。

でもまずは、何とかしてやらなければなりません。
やがて、隣のマンションの屋上へと鳴き続けたまま飛んでいったのを確認しました。

部屋を飛び出て、急いで向かいます。
エレベータで降りている間、その間に見失ってしまったらどうしよう、と気が急いて仕方ありませんでした。

うちのマンションは7階、隣のマンションは四階建てでした。
エレベータは無く、階段を一気に駆け上がります。

が、なんと屋上への階段がありません!
給水塔らしきものがあるのを確認してますので、何処かに登り口がある筈だ、と四階の廊下を駆け回った処、廊下のコンクリの庇に、屋上へと続く四角い鉄板があることに気付きました。そこに続く梯子もありました。
梯子を登り、鉄板を押し開け(鍵が掛かって無くて良かった)、屋上へと出ます。

足がすくみました。
人が来るようには設計されていない屋上は、ほんの申し訳程度の柵があるだけで、高所恐怖症の私は、一歩歩くだけで膝が震えます。

あの子は、給水塔に立てられた共同アンテナに留まっていました。
見失っていなかった事が、本当に幸運だったと思います。
急いで、給水塔に掛かる梯子を登ります。視界はますます高くなり、恐怖が増しますが、必死で堪えました。

梯子を登り切って、アンテナに腕を伸ばします。
私を呼んで、必死で鳴くものの、手には留まってきません。
ここで下手に手を動かして驚かせたら、もう一生の別れになるかもしれない、と手は余り動かさないようにして、声をかけ続けました。

それでも、こちらには来ません。ただ、私をちゃんと認識しているのか、飛んで行ってしまうことはありませんでした。
時間としては、五分も無かったと思うのですが、酷く長く感じました。
もう一息!
指先を精一杯に伸ばすと、柔らかい羽毛の腹の部分に触れました。
すると、それを待っていた!とばかりに、手に留まり、私の腕を伝い、駆け下りてくるようにして、私の胸元にしがみついてきました!

良かった!戻ってきた!

でも、ここで驚かしてはいけない。と必死に自分を宥めながら、そろりと片手で掴み、自分のシャツの中に押し込みます。
そして、震える足で梯子をそろり、そろり、と降りきり、屋上に降り立つと、シャツの裾をジーンズの中に入れ、シャツのボタンは一番上まできっちりと留めて、シャツの中を袋状にして、その子を中に。

あれだけ鳴いていた子は、ぴたりと大人しくなっていました。
屋上の上を這うようにして、階下へと続く降り口へと行き、もう一度梯子を下ります。その間、余りに大人しい子に、ショック死でもしたんじゃないかと、もうはらはらしてました。

自宅へと早足で帰り、シャツの中をそっと開きます。
体温に包まれて、ふんわりと気持ちよさそうにしている子を見て、安堵が一気にこみ上げました。

本当に、幸運でした。

外に飛んでいってしまえば、見つかる確率は低いでしょう。
それも、自身でちゃんと捕まえられることも滅多にないと思います。

その後は、籠を持つ時は、籠本体の底部分を必ず持つようにしています。

そして、あの宙で七畳ワンルームの広さで旋回していた姿を良く覚えています。
本来ならば、大空を自由に駆け回る事の出来る鳥を、エゴで狭い世界に閉じこめている。
それを可哀相、と思ってはいけないのかもしれません。
その子達にとっては、ここが世界の全てで、だからこそ、その世界の中で、心地良く、幸せを感じるように世話をして……そういう責任が、飼い主の私達にはあるのだと思います。

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